■前文 |
我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。ここに、我々は、日本国憲法 の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。 |
■第1条〔教育の目的〕 |
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。 |
■第3条〔生涯学習の理念〕 |
国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。 |
■第4条〔教育の機会均等〕 |
すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
(2) 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
(3) 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。 |
■第5条〔義務教育〕 |
国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。
(2) 義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
(3) 国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。
(4) 国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。 |
■第6条〔学校教育〕
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法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
(2) 前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。
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■第9条〔教員〕 |
法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
(2) 前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。 |
■第1条〔学校の範囲〕 |
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。 |
■第9条〔校長・教員の欠格事由〕 |
次の各号のいずれかに該当する者は、校長又は教員となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられた者
三 教育職員免許法第十条第一項第二号 又は第三号 に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から三年を経過しない者
四 教育職員免許法第十一条第一項 から第三項 までの規定により免許状取上げの処分を受け、三年を経過しない者
五 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者 |
■第11条〔学生・生徒等の懲戒〕 |
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。 |
■第12条〔健康診断等〕 |
学校においては、別に法律で定めるところにより、幼児、児童、生徒及び学生並びに職員の健康の保持増進を図るため、健康診断を行い、その他その保健に必要な措置を講じなければならない。 |
■第16条〔義務教育〕 |
保護者(子に対して親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。)は、次条に定めるところにより、子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う。 |
■第34条〔教科用図書・教材〕 |
小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。
(2) 前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。 |
■第35条〔出席停止〕 |
市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
三 施設又は設備を損壊する行為
四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為 |
■第30条〔服務の根本基準〕 |
すべて職員は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し,且つ,職務の遂行に当つては,全力を挙げてこれに専念しなければならない。 |
■第31条〔服務の宣誓〕 |
職員は,条例の定めるところにより,服務の宣誓をしなければならない。 |
■第32条〔法令等及び上司の職務上の命令に従う義務〕 |
職員は,その職務を遂行するに当つて,法令,条例,地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い,且つ,上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。 |
■第33条〔信用失墜行為の禁止〕 |
職員は,その職の信用を傷つけ,又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。 |
■第34条〔秘密を守る義務〕 |
職員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,また,同様とする。 |
■第35条〔職務に専念する義務〕 |
職員は,法律又は条例に特別の定がある場合を除く外,その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い,当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。 |
■第37条〔争議行為等の禁止〕 |
職員は,地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業,怠業その他の争議行為をし,又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又,何人も,このような違法な行為を企て,又はその遂行を共謀し,そそのかし,若しくはあおつてはならない。 |