歴史学から歴史教育へ

 歴史学から歴史教育へ

 伊藤 純郎  著

■A5判 263ページ 上製
■定価 3400円+税

■ISBN4-921102-19-7 C3037
 (発行人 新藤智)

目  次

T 歴史学と歴史教育をめぐる

  1.郷土教育運動と地域
  2.学校文化を問い直す
  3.モノを忘れた歴史学習
  4.郷土誌が問いかけること
  5.戦争遺跡へのまなざし

U 人物を学ぶ、人物から学ぶ

  1.根本正とハンセン病
  2.柳田国男と小学校
  3.岡田武松と柳田国男

V 教室の窓から―大学の出前講義

  1.聖徳太子と和の精神
  2.もう一つの「坂の上の雲」

W 社会科教育あら・カルト

  1.孝行猿の話―説話・伝承の世界
  2.「投げ込み寺」浄閑寺―過去帳を読み解く
  3.ベルリン・オリンピック―新聞を読む
  4.石造物が語ること
  5.近くて遠い国、遠くて近い国―異文化理解
  6.学生の憲法学習今昔
  7.人物学習「西郷隆盛」
  8.無着成恭『山びこ学校』が問いかける世界

あとがき

  第T部「歴史学と歴史教育をめぐる」は、歴史学や歴史教育をテーマにした講演記録をまとめたものである。具体的には、長野県中信高等学校教育研究会(松本市)・我孫子市史講演会(我孫子市)・国民文化祭ぐんま二〇〇一記念事業国際シンポジウム記念講演(前橋市)・二宮町史刊行記念講演会(二宮町・現真岡市)・茨城県高等学校教育研究会歴史部会講演(水戸市)の五つの講演記録を、一部改稿し、講演の年代順に掲載した。
 第U部「人物を学ぶ、人物から学ぶ」は、人物学習を実践するうえで基礎作業となる人物研究・伝記研究の重要性を述べたものである。人物学習を実践するにあたっては、既存の研究成果をそのまま援用するのではなく、自ら人物研究を試み、新たな人物像を探究し、それを教材として人物学習を実践することが重要であることを私は常々述べてきた。私にとっては身近な地域の人物である茨城県選出の衆議院議員根本正と日本民俗学の創始者柳田国男を対象に、人物研究・伝記研究の具体的事例を示したものが第U部である。
 第V部「教室の窓から―大学の出前講義」は、平成二二年度に実施した大学の出前講義のなかで、私が大学で担当する地域研究(学部)・歴史教育学(修士課程)・歴史学(博士課程)の三領域すべてが重なったテーマで行った出前講義の講義記録である。具体的には、高知県私立土佐塾高等学校における出前講義「聖徳太子と和の精神」と秋田県立能代高等学校における出前講義「もう一つの「坂の上の雲」」を収録した。
 第W部「社会科教育あら・カルト」は、筑波大学に赴任する前に在職した茗渓学園中学校高等学校から現在に至るまで、学会誌などの学術誌を除く教育雑誌や紀要・報告書などに発表した社会科教育に関する「歴史小文」である。


★著者プロフィール

伊藤 純郎(いとう じゅんろう)

1957年長野県生まれ。 現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科教授。博士(文学)
【主要著書】
 『市民教育への改革』(東京書籍、2010年)共編著
 『増補 郷土教育運動の研究』(思文閣出版、2008年)単著
 『フィールドワーク 茨城県の戦争遺跡』(平和文化、2008年)編著
 『中学社社会をよりよく理解する』(日本文教出版、2008年)編著
 『柳田国男と信州地方史』(刀水書房、2004年)単著
 『総合的学習に役立つ 調べてみよう地域・郷土』(ぎょうせい、2000年)編著
 『郷土教育運動の研究』(思文閣出版、1998年)単著




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