実践キャリアアップ教育

実践 キャリアアップ教育

 ─役割体験学習論からの教育改革─

 井門 正美  著
  (著者ホームページへ)

 A5判 136ページ 並製
 定価 1580円+税

ISBN978-4-921102-25-8 C3037

 

 目  次

第1章 社会的役割と社会的実践力

第2章 キャリア教育事始め

第3章 役割体験学習論の提案

第4章 役割体験の4類型に基づくキャリア体験学習

第5章 地域に根ざすキャリアアップ教育

あとがき
資料編


  今日、「実践キャリアアップ」という言葉が広まりつつある。「キャリア形成」よりもアクティブな表現として意図的に用いられているようだ。しかし、言葉や表現は実が伴わなければ単なるスローガンや看板に過ぎない。実が伴うには、キャリアアップのための理論が必要であり、この理論に基づく実践があってこそ可能になる。
 本書は、その「キャリアアップ」の教育理論として筆者が提唱する「役割体験学習論」を紹介する。この理論をベースにして、キャリアアップ教育の実践的な方法について、具体的事例を挙げながら論述する。その根底には、学校・教師が土台としているその前提を問う姿勢や社会の問題を発見し変革しようとする姿勢、こうした姿勢をもってキャリアアップ教育を進めていこうというね らいがある。そのことは、本書で紹介する実践事例をご覧いただければ理解できると思う。  さて、キャリアアップ教育の理論となる「役割体験学習論」をまず簡単に紹介したい。役割体験学習とは「学習者がある役割を担うことによって、考察対象を理解し、問題を解決しようとする学習方法」であり、役割体験学習論とは、「役割体験学習により学習者の社会的実践力(生きる力)を培うべく、知識と行為の統一的な学習を図るための理論」である。本書はこの理論を根底に据えたキャリアアップ教育の方法を提案するものであり、学校現場でキャリア教育に取り組む教員や企業のCSR (corporate social responsibility)としてキャリア教育を実践する人々に対して、どのような理論と観点から、よりアクティブなキャリア教育、すなわち、キャリアアップ教育の実践を行えば良いのか、その具体的な方法について紹介する。


著者プロフィール

井門 正美

(いど まさみ)

秋田大学教授(教育学研究科・教育文化学部)
 秋田大学教員免許状更新講習推進センター・センター長
 秋田大学ゲーミング・シミュレーション研究会・会長
 秋田法教育研究会・会長
 1955 年群馬県生まれ。早稲田大学社会科学部(1979 年)、立教大学社会学部(1982年)を卒業し、群馬県公立学校教員として沼田市立池田小学校、藤岡市立北中学校に勤務する。1990 年同職を辞し、上越教育大学大学院修士課程学校教育研究科に入学。
 その後、筑波大学大学院博士課程教育学研究科を経て、現在、秋田大学教授(教育学研究科・教育文化学部)。博士(教育学)。自己組織性のある学校再生をめざして、研究と教育に情熱を燃やしている。
主な著書を以下に紹介する。
 ・『社会科における役割体験学習論の構想』NSK 出版、2002 年。
 ・『町づくりゲーミングSIM TOWN【井角町】』NSK 出版、2003 年。
 ・『役割体験学習論に基づく法教育』現代人文社、2011 年。
 ・『ロール・プレイ』(クリシヤ・M・ヤルドレイ=マトヴェイチュク著、監訳者和泉浩、翻訳者若有保彦、翻訳企画者井門正美)、拙稿「役割実践法による『ロールプレイング』の再検討」(巻末)、2011 年。




お求めは《注文画面》



もどる